平成28年度『心とからだの健康講座』を開催いたしました。

平成29年3月13日(月)
協同組合ベイタウン尾道 組合会館にて

心とからだの健康講座① 心とからだの健康講座②

平成29年3月13日(月)14:00~16:00
協同組合ベイタウン尾道 組合会館にて
『心とからだの健康講座』を開催いたしました。

演題は、『今どきの職場におけるメンタルヘルス対策』
講師は、川崎医療福祉大学 医療福祉学部 臨床心理学科
    教授 谷原弘之 先生
84名の方にご参加いただきました。

ゆとり世代、さとり世代といわれる若手社員とベテラン社員との考え方の違いから起こる人間関係のストレスの実際とその対応を、事例を交えご紹介いただきました。参加者の中には、世代間のズレを思い当たる方も多く、谷原先生のゆったりとした話し方に、『わかりやすく参考になった』との声もたくさん聞かれました。


『心とからだの健康講座』講演要旨

今どきの職場におけるメンタルヘルス対策

谷原弘之(川崎医療福祉大学)

 近年、私が受けた職場における相談で多かったものは、「ハラスメント(特にパワハラ)に関する相談」「発達障害の傾向を思わせる社員への対応に関する相談」「ベテラン社員(50歳代)が若手社員の指導に悩んでの相談」等があります。かつて「見てならえ」で育ったベテラン社員は、自分が受けた教育をそのまま若手社員に実践する傾向がありますが、今どきの若手社員からすると「見てならえ」自体を知らないため、自分だけ丁寧に仕事を教えてもらえていない、いじわるをされていると思い込んでしまうことがあるようです。そのため若手社員はパワハラと勘違いをしたり、離職が起こる等、世代間ギャップの問題が社内の人間関係のストレスに置き換えられていくことをよく目にします。今回は、このような時代の変化に伴って会社内で何が起こっているかを解説し、事例を通じて具体的な適応支援を紹介しました。
 今どきの若手社員の一部に、人間発達の中で獲得する「場の空気を読む力」「相手の気持ちを察する力」「仕事の見通しをつける力」がうまく獲得できておらず、仕事の場面で的確に使えない人がいるようです。例えば、場の空気が読めずに身勝手な行動を取る、顧客の心情を受け止めることができず相手を怒らせる、仕事の締め切りを平気で無視するといった行動です。これらへの対処法としては、頭ごなしに注意をするとパワハラと誤解されますので、本人がどういう思いでその行動を取ったかをまず肯定的に確認し、次に会社としての適応行動を具体的にアドバイスして修正するという二段構えの指導をしていきます。すると、自分の思いを聞いてもらえたこともあり、上司に悪感情を持たずに適応行動に修正できる可能性がでてきます。
 最後に、アメリカのポジティブなメンタルヘルス対策である「レジリエンス」を紹介しました。これは、失敗して気持ちが落ち込んでもすぐに立ち直る回復力を持つこと、ストレスやプレッシャーをしなやかに受け止める柔軟性を持つこと等を目的とし、日ごろから心の筋肉を鍛えることを推奨しています。メンタルヘルス対策は日々進化していますので、新しい考え方を取り入れながら、厳しいストレス時代を乗り切っていきましょう。

以上