第23回福山医学祭にて当会職員4名が発表しました。

平成28年11月27日(日)
福山市医師会館4階にて開催

① 演者:佐名木美智子(保健師)優秀発表賞をいただきました。

演題:『平成26年度 特定保健指導の評価と今後の問題点』

佐名木美智子

当協会は、福山市に本部を置き、尾道市、鳥取市、津山市、米子市の検診所に保健師・管理栄養士を配し、平成20年度より特定保健指導を実施しており、一定の効果が得られたので報告する。
平成26年度特定保健指導を実施した448人のうち中途脱落を除く404人について、体重が3%以上減少したグループと3%以上増加したグループに分け、食習慣8項目、身体活動7項目、血圧、HDL-CHO、TG、血糖値をスタート時と終了時で比較した。
体重減少グループでは、食習慣8項目、身体活動7項目の全項目で改善がみられた。体重増加グループでは、食習慣1項目、身体活動1項目の改善にとどまった。検査データについては、体重減少グループにおいてHDL-CHOに有意な変化が見られた。
今後、体重が増加した者に対する支援の見直し、生活習慣の改善指導及び検査データ改善に向けての検討を継続していく必要があると考える。


② 演者:宮本まりも(保健師)優秀発表賞をいただきました。

演題:『平成27年度特定健診受診者における体重管理等についての検討』

宮本まりも

平成27年度に実施した特定健診受診者、男性39,551人、女性18,406人について、20歳から10kg以上の体重増加、早食い、就寝前2時間以内の夕食摂取、睡眠から得られる休養の満足感の有無、飲酒量について、血圧、脂質、血糖検査の有所見率、BMI≧25を比較した。
20歳から10kg以上体重が増加した者及び早食いの者は、血圧、脂質、血糖検査の有所見率、BMI≧25が高い結果となった。また、就寝前2時間以内に夕食を摂取する者は、BMI≧25が高く、多量飲酒者は血圧が高い結果となった。
一方、20歳から10kg以上体重が増加した者は、男性は41.8%、女性は25.2%であり、その割合は40歳代以降ほぼ横ばいである。
これらにより、40歳以降の中高年世代の食習慣、飲酒習慣の改善と共に、20歳から10kg以上体重が増加している者は40歳以前にすでに増加しており、若い世代からの体重管理が重要と考える。


③ 演者:出口 健(臨床検査技師)

演題:『健康診断における検便検査の検出状況』

出口 健

健康診断において検便検査は、労働安全衛生規則第四十七条、水道法施行規則第十六条及び各種ガイドラインやマニュアルにて定められている。
当会で行った健康診断における検便検査(虫卵と細菌)の検出状況を報告する。
2015年度に当会で、虫卵と細菌(シゲラ属、サルモネラ属、ビブリオ属および大腸菌血清型または大腸菌O-157)検査を受診した延べ3409件を対象とした。すべて株式会社BMLで検査を行った。 
虫卵検査および細菌検査ではシゲラ属、ビブリオ属、大腸菌O-157の陽性者はいなかった。サルモネラ属は4件陽性だった。大腸菌血清型は35種473件陽性で、ベロ毒素の陽性者はいなかった。
虫卵・細菌検査で陽性者が見られたことは、検便検査が有用であった。
大腸菌血清型の陽性者のうち、50名が複数回検出されており、常在菌が示唆された。
サルモネラ属は4件のうち3件は同一人物であり、無症候性持続感染が考えられた。


④ 演者:神田 愛(臨床検査技師)

演題:『健康診断の虫卵検査で見つかった糞線虫の一例』

神田 愛

糞線虫は熱帯・亜熱帯地域に広く分布し、約2億人の感染者がいると推定されている。糞線虫は自家感染を起こすため、一度感染すると何十年も寄生を続けるが、通常は無症状である。しかし、免疫状態が低下した人では全身性の播種性糞線虫症を引き起こし、場合によっては致命的である。今日ではイベルメクチンで容易に駆虫できるため、積極的な治療が望ましい。
2016年6月までの1年間に、当会で健康診断の検便検査を受診し、虫卵検査を実施した延べ1857件を対象とした。すべて株式会社BMLで検査を行った。
健康診断の虫卵検査で糞線虫を経験したので報告する。
水産会社に勤める20代後半の外国籍の男性。R型幼虫を認めた。
母国で感染し来日したと思われる。日本では寄生虫はまれになったが、世界的に見ればありふれたものである。また、外国人労働者も増加しており、健康診断の虫卵検査は必要と考える。


第23回福山医学祭パンフレット

福山医学祭パンフレット