ブックタイトル平成24年度 健康診断・作業環境測定

概要

平成24年度 健康診断・作業環境測定

改善策として、粉砕機への投入の間隔を長くすることを提案し、第2管理区分になった。また、粉砕機そのものに囲い込み等の防音対策を施したため､第3管理区分が第2管理区分になった。6.有機溶剤作業場の業務内容と測定結果の推移平成23年度の集計報告書でも、有機溶剤作業場の業務内容や測定結果の推移・傾向等を取りまとめましたが、今回は平成24年度の測定結果を追加しました。〈図4〉に示すとおり、平成24年度の有機溶剤測定の作業場数を有機溶剤中毒予防規則の業務内容で区分すると、平成23年度の集計内容と同様に塗装作業場が最も多くなっています。次に、過去10年間の有機溶剤測定の実施作業場数と管理区分別の割合を〈図5〉に示しました。〈図4〉平成24年度有機溶剤作業場の業務内容とその割合〈図5〉年度別有機溶剤測定の実施作業場数と管理区分別割合:塗装388作業場(370作業場):洗浄69作業場(55作業場):接着剤塗布・接着54作業場(62作業場):面加工48作業場(46作業場):試験・研究43作業場(47作業場):混合22作業場(26作業場):印刷20作業場(21作業場)(年度)H15H16H17H18H19H20H21H22H23(作業場数)(714)(710)(725)(693)(662)(657)(646)(643)(638):その他10作業場(11作業場)※( )内は平成23年度集計数H24(654)0%10% 20%30%40%50%60%70%80%90% 100%第1管理区分第2管理区分第3管理区分平成21年7月にトルエン等の管理濃度が厳しくなったことで、第2・第3管理区分が増加し、平成22年度には第3管理区分の作業場がさらに増加しており、その後はほとんど変動していません。また、平成24年4月にメチルイソブチルケトン等の管理濃度が厳しくなりましたが、平成24年度の第3管理区分はほとんど増加していません。この主な要因は、管理濃度が改正された成分を含む有機溶剤を取り扱う作業場が少なく影響を受けにくいためで、第1管理区分から第2或いは第3管理区分への移行が少なくなっています。7 .まとめ騒音の作業環境測定を行う上での大きな目的は、騒音性難聴の発症を防止するため、騒音作業場については「騒音障害防止のためのガイドライン」に基づき定期に騒音測定の実施及び評価を行い、労働者が騒音にどの程度暴露されているかを把握し、改善の必要な作業場については騒音環境の低減に役立てることです。当協会の騒音測定作業場数は前述のとおり多くはありませんが、今後も積極的に対象となる作業場の測定を定期に実施し、騒音の抑制が必要な作業場については、事業場との連携により環境改善に結びつけることが必要であると考えています。測定作業場数の最も多い有機溶剤、また粉じん・特定化学物質について今後も有害性の再検討による勧告等を基に管理濃度等が変更され規制が厳しくなる可能性がありますが、測定の評価が良好な作業場においても継続して定期に測定を実施し、環境の改善が必要な作業場については、労働衛生コンサルタント・作業環境測定士が助言等を行い、作業環境中の有害要因を低減していきたいと考えています。また、近年は、特定化学物質について新規測定対象物質の追加により、これらを取り扱う作業場の作業環境管理が必要になっています。測定の対象となる作業場については定期的に測定を実施し、快適な職場環境へ繋がる提案を行っていきたいと思います。平成24年度健康診断・作業環境測定集計報告書10