平成23年度 健康診断・作業環境測定

平成23年度 健康診断・作業環境測定 page 10/12

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作業環境測定(2)エチレンオキシドエチレンオキシドを使用しての滅菌処理装置に局排が未設置或は排気装置が設置されていても、能力不足により滅菌作業中及び滅菌後の装置からの器具の取り出し時にエチレンオキシドガ....

作業環境測定(2)エチレンオキシドエチレンオキシドを使用しての滅菌処理装置に局排が未設置或は排気装置が設置されていても、能力不足により滅菌作業中及び滅菌後の装置からの器具の取り出し時にエチレンオキシドガスが作業場内に拡散し滞留している状態です。また、滅菌槽に対する滅菌物の量が多すぎること等により、滅菌器に付設の排気装置(エアレーションシステム)の効率が悪くなり、滅菌後の器具の取り出し時にエチレンオキシドガスが作業場内に拡散している状態です。(3)マンガン鋳造工場の金属の溶解作業時にマンガンを使用している作業場では、マンガン及びその化合物を含む粉じん発生源の上部に排気装置が設置されているが、排気能力及び発生源への囲いが不充分なために作業場内に拡散・滞留している状態です。4.改善対策環境改善に向けての対策として、発生源を封じ込めることが最も有効であり、それが難しい場合は、作業場への有害物の拡散・滞留を極力減少させる必要があります。特定化学物質の種類は多く、また物質の性状には違いがあるため、有害物の拡散・滞留を防ぐには、各物質の性状を充分把握し、各物質に適した対策が必要であると考えられます。対策としては次のことが挙げられます。・有害性の少ない物質への転換・設備の密閉化、自動化、遠隔操作による有害物の拡散防止・局所排気装置等排気設備による有害物の拡散防止・全体換気による滞留の抑制・生産工程・作業方法の改善による発散防止・個別的な対策として、作業時間の制限及び防毒マスク等の保護具の着用による吸入の防止5.特定化学物質の改善事例以前第2或は第3管理区分であった作業場で、助言・提案に基づく対策、また事業場での対策を講じた結果、管理区分が第1或は第2管理区分に移行し改善された作業場の事例を下記に示しました。〈事例1〉エチレンオキシドガスによる滅菌作業場の改善事例医療用器具の滅菌工程で、滅菌後のエアレーション工程終了後、約1時間滅菌器内に放置して滅菌物を取り出す作業時に測定を実施した結果、滅菌槽内に滞留したエチレンオキシドガスが作業場内に拡散し第3管理区分になった。改善案として、エアレーション終了直後に滅菌器から滅菌物を取り出すか、再度エアレーションを行った後取り出す作業内容を提案し、第1管理区分になった。〈事例2〉トリレンジイソシアネート使用によるウレタン成形作業場の改善事例トリレンジイソシアネートを含有するウレタン原料を成形機により成形する作業場で、設置されている成形機をほぼ全機使用して作業が行われている時に測定を実施した結果、第2管理区分になった。改善として、生産工程の改善により、成形機の使用台数を少なくし、また換気扇等も有効に活用することを提案した結果、有害物の拡散が少なくなり第1管理区分になった。6.有機溶剤作業場の業務内容と測定結果の推移平成21年度の集計報告書でも、有機溶剤作業場の業務内容や測定結果の推移・傾向等を取りまとめましたが、今回、その後の2年間の管理区分割合の変動等について取りまとめました。〈図4〉に示すとおり、平成23年度の有機溶剤測定の作業場数を有機溶剤中毒予防規則の業務内容で区分すると、平成21年度の集計内容と同様に塗装作業場が最も多くなっていますが、その他の業務内容では多少変動が見られます。9平成23年度健康診断・作業環境測定集計報告書